ミラドライ問題の課題
最近の数年間はエイズに関係したグループがFDAに圧力をかけて、エイズに対して効果が期待できる薬が迅速に入手できるようにさせた。
エイズ患者の延命に役立つように、という考えからだった。
1987年にエイズ治療薬AZTに対してFDAの認可を出させたのも、関係グループの圧力だった。
AZTは2年間という記録的なスピードで、FDAのテストを通過したのだった。
通常の薬では動物試験に21年、その後の臨床試験に2〜10年かかるものである。
しかもこのあとに、臨床試験で出された結果についての二カ月から7年くらいかかる吟味があるのだから、薬の認可には非常に長い時間がかかるわけだ。
1つの薬が世に出るのに、平均して4年から20年かかっている。
エイズ患者は実験段階の薬でも入手可能なようにせよと要求し、この要求がB大統領(当時)を動かし、大統領はFDAのやり方を変えることを検討するための委員会を招集した。
1989年に開かれた公聴会で、この委員会から、死にかけているエイズ患者やガン患者に効果と安全性を保証しつつ、いかにして実験的な薬を入手可能にするかという問題が持ち出された。
この委員会の委員長で、当時のT大医学部長だったL・R博士は「今日では、薬に関してもっと自由にせよという意見が世間には強くなっている。
つまり、強権的な国という名の父親に薬のことを決めてもらわなくてもいい、と。
……決めるのはFDAではなくて患者本人にすべきだ」と述べた。
そして1990年8月15日、R博士らのガンとエイズに関する新薬の認可手続きを見直すための連邦委員会は、最終報告書をまとめた。
ガンとエイズに関しては、もっと新しくもつとよい薬が必要である。
この点から考えて、これらの病気に苦しむ患者の必要に応じるためには、国の政策もこの委員会ができたこと自体も、AZTが記録的なスピードで認可されたことも、民衆が状況を変えることができるというなによりの証拠である。
しかし、自覚だけでは問題は半分しか解決できない。
残りの半分は一致団結に待たねば開発を助長するようなものにしなければならない。
重要な新薬の認可の促進。
エイズとガンの新薬の認可に関しては、その薬が開発されたら、可能な限りすみやかに市場に出すために、FDAは柔軟な対応をすべきである。
実験段階の新薬も入手可能にするための別のルートを開くべきで、適切な臨床実験が行なわれていて問題がなさそうだという場合、患者にはこの拡大ルートによって、新薬を入手する権利が保証されるべきである。
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